【医療費の心配を軽減】名古屋市の「マル福」制度を徹底解説!初めての方へ、安心の暮らしを支える福祉給付金ガイド
こんにちは、くらすまいるの西田です。
日々の生活の中で、将来の健康や医療費について不安を感じることはありませんか?
特に、高齢のご家族がいらっしゃる方、障害をお持ちの方、あるいはひとり親家庭として頑張っていらっしゃる皆様にとって、突然の病気や長期的な通院による「医療費の負担」は、家計を圧迫し、心の余裕を奪う大きな要因となり得ます。
「病院に行きたいけれど、今月は出費が多くて……」
「親の介護が始まったけれど、医療費と介護費でいくらかかるのか怖い」
そんな不安を抱えている方にこそ、知っていただきたい制度があります。それが、名古屋市が独自に運用している「福祉給付金支給制度」、通称「マル福」です。
この制度は、条件を満たす方の医療費自己負担を名古屋市が助成し、実質「無料」にするという、非常に手厚い福祉サービスです。
しかし、その存在や詳しい仕組みを知らないまま、本来受けられるはずの支援を受けていない方がいらっしゃるのも事実です。
このブログ記事では、名古屋市が誇る「マル福」について、制度の概要から対象者の詳細、申請方法、そして生活にもたらすメリットまで、初めての方でも理解できるように徹底的に解説します。
4000文字を超える詳細なガイドとなりますが、ぜひ最後までお読みいただき、あなたとご家族の「安心」にお役立てください。
1. 「マル福」とは? 制度の概要と目的
名古屋市が誇る「福祉給付金制度」の正体
名古屋市が運用する福祉給付金支給制度は、医療証にある「福」の字を丸で囲んだマークから、通称「マル福」として親しまれています。
通常、私たちが病院にかかると、年齢や所得に応じて医療費の1割~3割を窓口で支払います(自己負担)。後期高齢者医療制度(75歳以上など)の方であっても、通常は1割(現役並み所得者は3割)の負担が発生します。
しかし、「マル福」の対象となると、この窓口での自己負担分を名古屋市が全額助成してくれます。つまり、患者さん自身が病院の窓口でお財布を開く必要がなくなる(※愛知県内の場合)という、非常に強力な支援制度なのです。
制度の目的:誰もが安心して医療を受けられる社会へ
この制度の目的は、単に「お金を配る」ことではありません。
高齢者や障害者など、健康上のリスクが高く、かつ経済的な基盤が不安定になりやすい方々に対し、医療費のハードルを下げることで、「早期受診・早期治療」を促し、健康と福祉の増進を図ることにあります。
名古屋市は、政令指定都市の中でも福祉施策に力を入れている自治体の一つです。「福祉大国」とも称される手厚い支援の中でも、このマル福は、市民の健康寿命を支える「最後の砦」とも言える重要な役割を担っています。
2. 誰が「マル福」の対象になるの? 詳しい受給要件を完全網羅
「私は対象になるの?」
「親は対象かしら?」
ここが最も気になるポイントです。福祉給付金支給制度の対象となるには、まず「大前提」となる条件を満たし、さらに「個別の要件」のいずれかに該当する必要があります。
【大前提】基本となる条件
マル福を受けるためには、以下の2つの条件をクリアしている必要があります。
- 名古屋市内に住所を有すること(住民票があること)。
- 後期高齢者医療制度の被保険者であること、または70歳以上で健康保険に加入していること。
つまり、基本的には「高齢者(または一定の障害を持つ65歳以上の方)」向けの制度です。
65歳未満の障害者の方は「障害者医療費助成制度(マル障)」、ひとり親家庭の方は「ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)」という別の制度がありますが、年齢を重ねて後期高齢者医療制度に移行すると、この「マル福」に切り替わることが一般的です。
【個別要件】以下のいずれかに該当する方が対象
上記の前提を満たした上で、以下の5つのカテゴリーのいずれかに該当する場合、マル福の申請資格があります。所得制限があるものが多いので、詳細を確認しましょう。
① 重度障害者
身体や精神に重い障害をお持ちの方への支援です。
- 対象
- 身体障害者手帳:1級・2級・3級をお持ちの方。
- 精神障害者保健福祉手帳:1級・2級をお持ちの方。
- 愛護手帳(療育手帳):1度・2度の方、または3度・4度で身体障害者手帳をお持ちの方など。
- その他、特定疾患や自閉症状群などの診断を受けている方。
- ポイント: 65歳~74歳で一定の障害があり、後期高齢者医療制度へ早期加入した方もここに含まれます。
- 注意: 本人、配偶者、扶養義務者の所得制限があります。
② ひとり親家庭等
70歳以上になっても、お子さん(18歳到達後の3月31日までの児童、または一定の障害がある20歳未満の児童)を養育している家庭が対象です。
- 対象: 母子家庭の母、父子家庭の父、または両親のいない児童を養育している方など。
- 注意: 所得制限があります。
③ 寝たきり・認知症(要介護高齢者)
このカテゴリーが、在宅介護をされているご家庭にとって最も重要、かつ判断が難しい部分です。
- 対象: 「寝たきり」または「重度・中度の認知症」の状態が3ヶ月以上継続しており、ご本人の所得が一定の範囲内の方。
- よくある誤解と真実
- 「要介護認定を受けていれば自動的に対象」ではありません。
- 「要介護4や5」の方は対象となる可能性が非常に高いですが、あくまで基準は「寝たきり・認知症の状態」です。
- 逆に、要介護2や3であっても、実態として寝たきりが続いている場合などは、医師の証明によって認定されるケースがあります。
- 手続き: 介護保険証だけでなく、主治医に書いてもらう「寝たきり・認知症証明書」の提出が必須となります。
④ 戦傷病者
- 対象: 戦傷病者手帳の交付を受けている方。
- 注意: 本人等の所得制限があります。
⑤ 措置入院患者等
- 対象: 精神保健福祉法による措置入院患者の方や、感染症法により入院した結核患者の方など。
【重要】所得制限について
多くの要件には「所得制限」が設けられています。「所得」とは、年金収入や給与収入から控除額を引いた金額です。
- 扶養親族の人数によって基準額が変わります。
- 非課税世帯かどうかだけでなく、具体的な所得額で判定されます。
- 基準額は年度によって改定されることがあるため、ギリギリかな? と思う場合でも、自己判断せずに区役所の窓口で試算してもらうことを強くお勧めします。
対象外となるケース
以下の場合は、残念ながらマル福の対象外となります。
- 生活保護を受給している方(生活保護の医療扶助が優先されるため)。
- 他の法令等により医療費の全額給付を受けられる方。
- 後期高齢者医療保険料を滞納している場合(資格があっても証が交付されないことがあります)。
3. 助成される内容と「無料」になる範囲を深掘り
「医療費が無料になる」といっても、病院で支払うすべてのお金がタダになるわけではありません。ここを正しく理解していないと、会計時に「あれ?」と戸惑うことになります。
「無料」になるもの(助成対象)
基本的に、健康保険が適用される診療(保険診療)の自己負担分が対象です。
- 診察・治療費: 医師による診察、検査、手術、処置などの費用。
- お薬代: 医師の処方箋に基づいて薬局で受け取るお薬の代金(容器代などは除く)。
- 訪問看護・訪問リハビリ: 医師の指示に基づいて行われる保険適用の訪問サービス。
- 訪問マッサージ: 医師の同意があり、健康保険が適用される「あん摩マッサージ指圧師」による施術。
- 治療用装具: 医師が治療上必要と認めたコルセットや関節用装具など。(※一度全額支払った後、申請により払い戻されます)
「無料」にならないもの(自己負担)
以下の費用は、保険診療外(自由診療や実費)となるため、マル福を持っていても支払う必要があります。
- 入院時の食事代(標準負担額): 1食あたり460円(区分により異なる)などの食事代は自己負担です。
- 差額ベッド代: 個室などを希望して入院した場合の追加料金。
- 文書料: 診断書や証明書の発行手数料。
- 予防接種・健康診断: インフルエンザ予防接種や人間ドックなど、病気の治療ではないもの。
- 選定療養費: 紹介状なしで大病院を受診した場合の初診料加算など。
- おむつ代・日用品費: 入院中に使用するパジャマレンタルや日用品の費用。
【事例で見る】マル福の威力
例:80代男性(要介護4、寝たきり認定)で、肺炎のため2週間入院した場合
- マル福なしの場合
- 医療費の1割負担:約57,600円(高額療養費の上限適用後)
- 食事代:約20,000円
- 差額ベッド代:0円(大部屋利用)
- 合計支払額:約77,600円
- マル福ありの場合
- 医療費の1割負担:0円(全額助成)
- 食事代:約20,000円(自己負担)
- 合計支払額:約20,000円
このように、マル福があるだけで、退院時の支払いが数万円単位で安くなるのです。
これが毎月の通院や訪問診療となれば、年間の節約額は数十万円に及ぶことも珍しくありません。
4. 申請手続きの具体的ステップと必要書類
「対象かもしれない」と思ったら、すぐに行動に移しましょう。申請しなければ、この権利は行使できません。
ステップ1:窓口へ行く準備
マル福の申請は、お住まいの区の区役所(保険年金課福祉医療担当)または支所(区民福祉課福祉医療担当)で行います。
※重要
郵送での新規申請は原則受け付けていません。
必ず窓口へ出向くか、代理人(ご家族)が行く必要があります。
ステップ2:必要書類を揃える
不備があると二度手間になります。以下のものを必ず持参しましょう。
- 健康保険証: 後期高齢者医療被保険者証、または高齢受給者証と保険証。
- 認定に必要な証明書:
- 障害者の場合:身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳など。
- 寝たきり・認知症の場合:「福祉給付金資格認定用 診断書」(※区役所で用紙をもらい、医師に記入してもらったもの)、および介護保険被保険者証。
- ※診断書は、申請日から3ヶ月以内に発行されたものが必要です。
- 所得証明書: 1月1日(1~7月の申請は前年の1月1日)時点で名古屋市外に住んでいた方のみ必要。名古屋市に住んでいた方は不要です(市が確認できるため)。
- 振込先口座がわかるもの: 通帳やキャッシュカード(後述する払い戻しが発生した時のため)。
- 本人確認書類: 来庁者のマイナンバーカードや運転免許証など。
ステップ3:申請・交付
窓口で申請書を記入し、書類を提出します。
審査の結果、要件を満たしていれば「福祉給付金資格者証(マル福カード)」が交付されます。
※即日交付される場合もあれば、審査に時間がかかり後日郵送となる場合もあります。特に「寝たきり・認知症」の認定は、内容の審査に数週間かかることがあります。
5. 知っておきたい「払い戻し(償還払い)」の仕組み
「県外の子供の家に長期滞在中、病院にかかった」
「急病で保険証しか持っていなかった」
そんな場合でも安心してください。一時的に窓口でお金を払っても、後から申請すれば戻ってきます。
払い戻しができるケース
- 愛知県外の医療機関を受診したとき
- マル福は「愛知県内の制度」との連携で動いているため、県外の病院では「無料」になりません。一旦、1割~3割の自己負担分を支払い、後で名古屋市に請求します。
- 資格者証を忘れたとき
- うっかり家に忘れて受診した場合も同様です。
- 治療用装具を作ったとき
- コルセットなどの代金はいったん全額払い、保険組合からの還付が決まった後、残りの自己負担分をマル福で請求します。
払い戻しの申請方法
- 場所: 区役所・支所の窓口。
- 必要なもの:
- 領収書(原本。患者名、保険点数などが記載されたもの)。
- マル福の資格者証。
- 健康保険証。
- 振込先の通帳。
- 期限: 医療費を支払った日の翌日から5年以内。ただし、健康保険組合への請求が必要なもの(装具など)は時効が2年と短いため、早めの手続きが鉄則です。
6. よくある質問(FAQ)
ここでは、窓口でよく聞かれる質問をまとめました。
Q1. 有料老人ホームに入居していても使えますか?
A. はい、使えます。
住所地特例などの複雑なケースを除き、名古屋市のマル福を持っていれば、施設に訪問してくる医師(訪問診療)や、施設の提携病院を受診する際の費用が助成されます。
特に「住宅型有料老人ホーム」などで介護保険サービスと医療サービスを組み合わせて利用する場合、医療費負担がゼロになるメリットは非常に大きく、月々の施設支払額を抑えるポイントになります。
Q2. 所得制限を超えてしまって資格がなくなりました。もう二度と取れませんか?
A. いいえ、あきらめないでください。
所得は毎年変わります。また、制度上の所得計算(控除額など)が変わることもあります。
翌年度(毎年8月更新)に所得が下がっていれば、再度申請して資格が復活する可能性があります。毎年チェックすることをお勧めします。
Q3. 「障害者手帳」を持っていなくても、「寝たきり」なら対象ですか?
A. はい、その可能性があります。
障害者手帳がなくても、「寝たきり・認知症」の要件(3ヶ月以上の継続+医師の証明+所得要件)を満たせば、マル福を取得できます。
ご高齢で新たに手帳を取得するのが難しい場合でも、このルートで助成を受けられるケースは多々あります。
Q4. 更新手続きは必要ですか?
A. 原則、自動更新です。
毎年8月1日が更新日ですが、引き続き要件を満たしていると市が判断した場合は、新しい資格者証が7月末頃に郵送されます。
ただし、「寝たきり・認知症」で認定されている方は、数年ごとに診断書の再提出(状態確認)が必要になる場合があります。市から案内が届いたら、必ず期限内に手続きをしてください。
7. マル福が支える「安心」と、私たちが守るべきこと
経済的な「命綱」としての役割
高齢化が進む現代において、医療と介護は切り離せません。
例えば、がんの末期で在宅療養を選択された高齢者のケース。「最期は家で過ごしたい」と願っても、毎日の点滴や往診、訪問看護の費用が重なれば、ご家族は「経済的に保つだろうか」と不安になります。
そんな時、マル福があれば、医療費の心配を一切することなく、「ご本人の苦痛を取り除くこと」や「家族との大切な時間を過ごすこと」に専念できます。
マル福は単なる節約術ではなく、「尊厳ある暮らし」を守るための命綱なのです。
制度を未来へつなぐための「適正受診」
この素晴らしい制度を持続可能なものにするためには、私たち利用者のモラルも問われます。
医療費が無料だからといって、不必要な受診を繰り返すことは避けなければなりません。
- コンビニ受診を控える: 緊急性のない夜間・休日の受診は、医療現場を疲弊させ、医療費(時間外加算)を増大させます。
- 重複受診(はしご受診)をやめる: 同じ病気で複数の病院を回ると、検査や薬が重複し、体にとっても負担になります。
- かかりつけ医を持つ: 日頃の状態をよく知る医師に相談することで、無駄な検査を減らし、適切な医療を受けることができます。
「必要な医療はためらわずに受ける」。しかし、「医療資源を大切に使う」。このバランス意識を持つことが、自分たちの福祉を守ることにつながります。
まとめ ~まずは相談から始めよう~
名古屋市の「マル福」制度について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この制度は、高齢者や障害をお持ちの方、そしてそのご家族の生活を支える強力なサポーターです。
- 愛知県内の医療費窓口負担が無料になる。
- 訪問診療や訪問マッサージにも使える。
- 「寝たきり・認知症」なら、手帳がなくても対象になる可能性がある。
もし、この記事を読んで「うちは対象かも?」「親の介護費用が少しでも安くなれば……」と思われたら、迷わず行動してください。まずは、ケアマネージャーやかかりつけの医師、あるいは区役所の窓口で相談することから始めましょう。
申請漏れで損をしている期間がないよう、早めの確認が「安心の暮らし」への第一歩です。
お問い合わせ先・相談窓口
この制度に関する具体的なご相談や申請については、お住まいの区の担当窓口へお問い合わせください。
- 申請窓口:
- 各区役所 保険年金課 福祉医療担当
- 各支所 区民福祉課 福祉医療担当
- 制度全般の所管:
- 健康福祉局 生活福祉部 医療福祉課 福祉医療担当
- 電話番号:052-972-2574
- まずは電話で聞きたい場合:
- 名古屋おしえてダイヤル
- 電話番号:052-953-7584
- 受付時間:午前8時から午後9時(年中無休)
皆様がこの制度を有効に活用し、心穏やかな毎日を過ごせることを心より願っております。


