老人ホームの身元保証人とは?家族がいても安心とは限らない理由を徹底解説

こんにちは。
介護施設紹介センターくらすまいる 相談員の 瀨川 佳代 です。

老人ホームへの入居を考え始めると、「身元保証人は必要なの?」「子どもがいれば問題ない?」と疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

ご相談を受けていると、「子どもがいるので身元保証人は大丈夫です」というお話を伺うことがあります。

もちろん、ご家族が身元保証人になられるケースは多くあります。しかし、実際に施設探しを進めていくと、「思っていたのと違った」と驚かれる方も少なくありません。

近年は家族構成やライフスタイルが多様化し、お子さんが遠方に住んでいたり、お仕事の都合ですぐに駆けつけることが難しかったりするケースも増えています。

そのため、「家族がいるから安心」と一概には言えない場面もあります。

今回は、老人ホームの身元保証人について、実際の相談現場でよくあるケースも交えながら詳しくご紹介します。

身元保証人とは?

老人ホームへ入居する際、多くの施設で身元保証人や身元引受人を求められます。

ただし、施設によって呼び方や役割は異なります。

「身元保証人」「身元引受人」「連帯保証人」など、契約書によって名称が違うこともあり、それぞれ求められる内容も少しずつ変わります。

一般的には、

  • 契約時の立ち会い
  • 緊急時の連絡先
  • 入退院時など必要な場面での協力
  • 施設との連絡調整
  • 退去時や万が一の際の対応

などをお願いされるケースが多く見られます。

施設ごとに契約内容は異なるため、「身元保証人」と一言でいっても、実際に求められる役割はさまざまです。

「名前だけ貸せばいい」と思われがちですが…

身元保証人という言葉だけ聞くと、
「息子の名前を書けばいいですよね」
「娘にお願いしておけば問題ないですよね」
と思われる方もいらっしゃいます。

しかし、実際には名前だけではなく、必要な場面で対応できる方を求めている施設も少なくありません。

例えば、体調の急変などで施設から連絡が入った場合、連絡が取れることはもちろん、必要に応じて来館をお願いされるケースもあります。

また、契約時にご本人だけでは手続きが難しい場合には、ご家族の同席をお願いされることもあります。

そのため、「家族だから大丈夫」と思っていても、施設側の条件によっては別の方法を検討する必要が出てくることがあります。

子どもがいても難しいケースは珍しくありません

相談現場では、次のようなお話を伺うことがあります。

「息子は東京に住んでいます。」
「娘は結婚して九州に住んでいます。」
「海外赴任中なので、すぐには帰ってこられません。」

このような場合、ご家族はいても、急な対応が難しいことがあります。

施設によっては「緊急時に一定時間内で来られること」を重視しているところもあり、遠方在住というだけで相談になるケースもあります。

もちろん、すべての施設が同じ条件というわけではありません。

「県外でも問題ありません」という施設もあれば、「近くに対応できる方がいらっしゃると安心です」という考え方の施設もあります。

だからこそ、施設選びとあわせて身元保証についても確認しておくことが大切です。

近くに住んでいても対応が難しいことがあります

「遠方だから難しい」というケースだけではありません。

近くに住んでいても、

  • 仕事で日中は電話に出られない
  • 夜勤勤務が多い
  • 小さなお子さんの育児中
  • ご自身が介護をしている
  • 持病があり外出が難しい

など、それぞれ事情があります。

実際には「車で20分の距離だけれど、平日は仕事で動けない」という方も少なくありません。

ご本人もご家族も悪いわけではなく、現代の生活スタイルを考えると当然起こり得ることです。

施設側もそうした事情を理解した上で、それぞれの状況に応じて相談しながら受け入れを進めています。

高齢の配偶者が身元保証人になるケース

ご夫婦で暮らしている場合、「配偶者がいるから安心」と考えられることもあります。

しかし、ご夫婦とも高齢になっている場合には注意が必要です。

例えば、ご主人が入居される予定でも、奥様も80代・90代というケースは珍しくありません。

万が一、ご本人だけでなく配偶者にも体調の変化があった場合、必要な手続きや施設とのやり取りが難しくなる可能性もあります。

そのため、配偶者だけでなく、お子さんやご親族、その他の支援体制も含めて相談されるケースがあります。

身元保証人がいないから老人ホームに入れない?

「身寄りがないから老人ホームは入れませんよね」
そのようなご相談をいただくことがあります。

結論から言えば、必ずしもそうとは限りません。

最近では、身元保証会社や各種支援サービスを活用しながら入居される方も増えています。

また、施設によっては保証会社の利用を認めているところもあります。

一方で、親族による対応を基本としている施設もあります。

つまり、「身元保証人がいないから入居できない」と決めつけるのではなく、どのような方法が取れるのかを一緒に考えていくことが大切です。

家族がいても身元保証会社を利用する方が増えています

「身元保証会社は、身寄りのない方が利用するもの。」
そのようなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし実際には、ご家族がいらっしゃる方でも身元保証会社を利用されるケースは珍しくありません。

例えば、

  • お子さんが県外や海外に住んでいる
  • 仕事の都合で急な対応が難しい
  • 子育てや介護などで時間を確保しづらい
  • 家族にできるだけ負担をかけたくない

といった理由から、必要な部分だけ専門サービスを利用される方が増えています。

身元保証会社は、ご家族に代わる存在というよりも、ご家族だけでは対応が難しい部分を補い、ご本人にもご家族にも安心していただくための選択肢の一つです。

生活支援サービスを利用するという選択肢も

身元保証だけでなく、日常生活を支える生活支援サービスを利用される方も増えています。

例えば、

  • 通院への付き添い
  • 買い物のサポート
  • 役所での各種手続き
  • 書類整理のお手伝い
  • 施設への入退去時のお手伝い
  • 施設への訪問や見守り
  • ちょっとした困りごとの相談

など、サービス内容は事業者によってさまざまです。

ご家族が遠方に住んでいる場合、「何かあった時だけ」ではなく、「普段から支えてくれる人がいる」という安心感につながることもあります。

また、ご本人だけでなく、ご家族の精神的な負担が軽減されるケースも少なくありません。

「子どもがいるからお願いしづらい」と悩まれる方も

「子どもがいるのに外部サービスを利用するなんて申し訳ない。」
そんなお気持ちを口にされる方もいらっしゃいます。

ですが、お子さんにも生活があります。

仕事や家庭、育児など、それぞれの事情を抱えながら遠方に住んでいる方も珍しくありません。

だからこそ、「全部家族で抱え込む」のではなく、「専門サービスも上手に利用しながら支えていく」という考え方が広がっています。

無理をして共倒れになってしまうよりも、ご本人もご家族も安心して過ごせる体制を整えることが大切です。

施設によって考え方は異なります

ここで注意したいのが、身元保証人に関する考え方は施設によって大きく異なるということです。

ある施設では保証会社の利用だけで問題なく入居できても、別の施設では親族の協力をお願いされる場合があります。

また、

  • 身元保証会社のみで可能
  • 家族と保証会社の併用が望ましい
  • 契約時のみ家族の同席が必要
  • 緊急連絡先だけは親族をお願いしたい

など、条件は本当にさまざまです。

そのため、「知人はこうだったから」「インターネットで見たから」「前の施設では大丈夫だったから今回も同じ」と判断するのではなく、希望する施設ごとに確認することが大切です。

施設探しと身元保証はセットで考えるのがおすすめです

老人ホームを探す際は、

  • 費用
  • 立地
  • 医療体制
  • 介護体制
  • 空室状況

などに目が向きがちですが、身元保証についても早めに確認しておくことをおすすめします。

実際に施設が決まりかけた段階で、「保証人の条件を満たせない」ということが分かり、急いで別の方法を探すケースもあります。

実際にご相談の中でも、入居先は決まったものの、身元保証人の条件で改めて調整が必要になり、お急ぎで対応方法を検討するケースがあります。

あらかじめ状況を整理しておけば、施設選びもスムーズに進めやすくなります。

よくあるご質問

Q. 子どもが県外に住んでいます。身元保証人になれますか?

施設によって考え方が異なります。
県外でも問題ない施設もありますし、緊急時の対応体制について相談が必要な施設もあります。
まずは希望する施設へ確認してみましょう。

Q. 身元保証会社を利用すれば必ず入居できますか?

必ずしもそうではありません。
施設ごとに契約条件が異なるため、保証会社の利用可否や必要な条件を事前に確認することが大切です。

Q. 家族と身元保証会社を併用することはできますか?

施設や契約内容によっては、家族が緊急連絡先となり、一部のサポートを身元保証会社が担うなど、併用されるケースもあります。
詳細は利用する施設やサービスによって異なります。

まとめ

老人ホームの身元保証人について、「子どもがいるから問題ない」と考えていたものの、実際に施設探しを始めて初めて悩まれるご家族は少なくありません。

ご家族が遠方に住んでいる場合や、お仕事・介護・育児などで十分な対応が難しい場合には、身元保証会社や生活支援サービスを利用しながら体制を整えるという選択肢もあります。

また、施設によって求められる条件は異なるため、「うちは大丈夫だろう」と自己判断せず、早めに確認しておくことが安心につながります。

身元保証人のことで不安があるからといって、施設探しをあきらめる必要はありません。状況に応じた方法や選択肢が見つかる場合もあります。

くらすまいるでは、施設探しだけでなく、ご家族の状況や生活環境もお伺いしながら、その方に合った方法を一緒に考えるお手伝いをしています。

「身元保証人について不安がある」「遠方に住む家族しかいないけれど大丈夫だろうか」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。