8月の食費改定後、施設の請求書はどう見る?確認したい費用項目チェックリスト
こんにちは。
介護施設紹介センターくらすまいる 相談員の瀨川佳代です。
施設から届いた請求書を見て、
「前月より金額が変わっているけれど、何が変わったんだろう?」
「8月の食費改定や、証書の切り替えが関係しているのかな?」
と気になったことはありませんか?
請求額の合計だけでは、金額が変わった理由は分かりにくいものです。まずは食費や介護サービス費など、項目ごとに見てみましょう。
この記事では、施設から届いた請求書を見ながら確認できるポイントを、チェックリスト形式で紹介します。
※この記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。請求書の項目名や計算方法、証書の更新手続きは施設や自治体によって異なります。個別の金額や手続きについては、施設や市区町村へご確認ください。
8月の見直し、請求に関係するのはどんな施設?
2026年8月から、介護保険施設などの食費に関する基準費用額が、1日あたり1,445円から1,545円に見直されました。
主に関係するのは、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、ショートステイなどです。
一方、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の食費が、この見直しによって一律に変わるわけではありません。これらの住まいでは、食費は施設ごとの料金や契約内容に基づいて設定されています。ただし、物価上昇などを受けて施設独自に料金を見直すことはあります。
また、負担限度額認定を受けている方は、食費の負担限度額も見直されています。第3段階①は1日30円、第3段階②は1日60円の引き上げです。第3段階②の方は、居室の種類によって居住費の負担限度額も見直されています。ただし、室料を徴収しない老健・介護医療院等の多床室は、居住費の負担限度額が据え置かれています。
基準費用額が上がったからといって、利用者の食費が全員一律で1日100円上がるわけではありません。利用する施設や制度、認定証の内容、契約内容などによって、実際の請求額は異なります。
改定の内容や対象施設について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
2026年8月から介護施設の食費が変わる?「基準費用額」の見直しをわかりやすく解説
2026年8月から、介護保険施設などの食費に関する「基準費用額」が、1日あたり100円引き上げられました。 「ということは、介護施設の食費が1日100円値上がりするの?」 ニ…
請求書を受け取ったら、まずここをチェック
1. 請求の対象期間と8月に切り替わる証書
まず、請求書の「利用年月」「請求対象期間」を確認しましょう。
請求書が届いた月と、実際にサービスを利用した月は異なることがあります。前月と比べるときは、同じ利用期間どうしで比べるのが基本です。
また、毎年8月は、介護保険負担割合証や負担限度額認定証の切り替わり時期です。新しい証書の内容や、負担限度額認定の更新手続きが請求に反映されているかも確認しましょう。負担限度額認定証の更新方法や期限は、自治体によって異なります。
チェックポイント
- 請求の対象期間はいつからいつまでか
- 前月と比べて、入居日数や利用日数に違いはあるか
- 入院・外泊・ショートステイなどがあったか
- 8月以降の負担割合証に変更はないか
- 負担限度額認定証の有効期間や段階はどうなっているか
- 新しい証書や認定内容が請求に反映されているか
2. 食費は「単価」と「日数・食数」を分けて見る
請求書の「食費」は、1日あたり、または1食あたりの金額に、利用日数や食数を掛けて計算されていることがあります。
金額が変わっていたら、単価だけでなく、食事をした日数や欠食の扱いも確認しましょう。食事のキャンセル期限や請求方法は、施設によって異なる場合があります。
チェックポイント
- 1日あたり、または1食あたりの単価
- 食事をした日数・回数
- 入院や外泊中の食費の扱い
- 欠食分の扱いと食事キャンセルの期限
- 単価が変わった場合、施設から案内があったか
介護保険施設などで負担限度額認定を受けている方は、認定証の段階と請求書の食費も照らし合わせてみましょう。認定証の内容が請求に反映されているか分からない場合は、施設へ確認してください。
3. 介護サービス費の自己負担
食費とは別に、「介護サービス費」「介護保険自己負担」などの項目が記載されていることがあります。
介護サービス費の自己負担割合は、所得などに応じて1〜3割です。負担割合証の内容やサービスの利用状況と、請求書の記載を確認しましょう。
チェックポイント
- 請求書に記載された自己負担割合(8月以降に変わっていないか)
- 介護保険サービスの利用日数や内容
- 加算などが前月から変わっていないか
- 負担割合証の有効期間や記載内容
サービス内容や加算は、本人の状態や利用状況、施設の体制などによって変わることがあります。項目名が分からないときは、施設に内容を聞いてみましょう。
4. 居住費・家賃・管理費など
施設の種類によって、居住費や家賃、管理費などの項目があります。名称や料金の決まり方は施設によって異なります。
介護保険施設の「居住費」と、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の「家賃」は、同じ扱いとは限りません。
2026年8月からは、負担限度額認定を受けている方のうち、第3段階②に該当する方について、居住費の負担限度額も見直されています。見直し後の金額は居室の種類などによって異なり、室料を徴収しない老健・介護医療院等の多床室は据え置きです。認定証の段階や居室区分と、請求額を確認しましょう。
チェックポイント
- 居住費・家賃・管理費などの金額
- 日割り計算か、月額固定か
- 入院・外泊時の扱い
- 負担限度額認定を受けている場合、認定証の段階や居室区分に合った金額か
- 施設から料金変更の案内があったか
5. 日用品費・医療費など、そのほかの費用
請求書には、介護サービス費や食費以外に、日用品費、理美容代、医療費、個別に利用したサービス費などが記載されることがあります。
前月より合計額が増えていても、食費以外の利用が増えている場合があります。項目ごとに前月と比べると、金額が変わった理由を見つけやすくなります。
チェックポイント
- 日用品費や医療費など、利用した内容に心当たりがあるか
- 利用回数や購入数が前月と変わっていないか
- 施設から事前に案内された料金と一致しているか
請求書を見ながら使える確認リスト
金額に変化があったら、次の順番で確認してみましょう。
- 請求対象期間は前月と同じか
- 入居日数・利用日数・食数に違いはあるか
- 食費の単価が変更されているか
- 負担割合証や負担限度額認定証の内容が反映されているか
- 介護サービス費の自己負担割合や利用内容に変更があるか
- 居住費・家賃・管理費などに変更があるか
- 日用品費・医療費など、個別に利用した費用が含まれているか
- 施設から料金変更の説明や案内を受けているか
請求書だけで判断しにくいときは、項目名と金額を伝えて「前月から変わった理由を教えてください」と施設へ尋ねてみましょう。内訳を説明してもらうと、どの費用が変わったのか整理しやすくなります。
よくある質問
Q. すべての施設で食費が1日100円上がったのですか?
いいえ。見直されたのは、介護保険施設などの食費に関する基準費用額です。すべての施設で利用者の食費が一律に1日100円上がるわけではありません。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは、施設ごとの料金や契約内容を確認してください。
Q. 請求書の食費が前月より高くなっていました。改定の影響でしょうか?
改定の影響かどうかは、施設の種類や食費の設定、利用日数・食数、負担限度額認定の有無などによって異なります。まずは食費の単価と請求日数を確認し、施設へ内訳を尋ねましょう。
Q. 負担限度額認定証を持っている場合、食費や居住費は必ず認定証どおりですか?
実際の請求額は、認定証の段階だけでなく、利用日数やサービスの種類、居室区分などによって異なります。新しい認定証の内容が反映されているか不安な場合は、認定証を手元に用意して施設へ確認してください。
Q. 施設の請求書で分からない項目は、どこに聞けばいいですか?
まずは請求書を発行した施設へ問い合わせると、項目の内容や計算方法を確認できます。負担限度額認定の要件や認定証については、本人の介護保険を担当する市区町村へ相談しましょう。
まとめ|合計額だけでなく、項目ごとに比べよう
施設の請求額が変わったときは、請求対象期間や利用日数を確認し、食費・介護サービス費・居住費・その他の費用を項目ごとに見ていきましょう。
2026年8月は食費の基準費用額が見直され、負担限度額認定を受けている一部の方は、食費や居住費の負担限度額も変わりました。また、負担割合証や負担限度額認定証の切り替わりが請求に影響する場合もあります。
請求書を見ても理由が分からないときは、施設へ内訳を確認してみてください。項目を一つずつ整理すると、変更の理由も見つけやすくなります。
老人ホームで利用できる費用負担の軽減制度については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
老人ホームの費用が心配な方へ ~ 利用できる負担軽減制度をわかりやすく解説
こんにちは。 介護施設紹介センターくらすまいる 相談員の 瀨川 佳代です。 老人ホームを探し始めると、多くの方が最初に不安に感じるのが費用の問題です。 「年金だけで…
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度予算に関する『大臣折衝事項』について(報告)」第252回社会保障審議会介護給付費分科会 資料1・p.9
- 厚生労働省「介護分野の最近の動向」第256回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3・p.47
※請求書の項目名や計算方法、証書の更新手続きは施設や自治体によって異なります。請求内容に疑問がある場合は、まず施設へご確認ください。
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